A-3 LINE Messenger for the World
登壇者:上級執行役員 サービス開発担当 池邉 智洋氏
以下、メモと所感。
【メモ】
台湾、タイはメッセージアプリではトップシェア
グローバルなサービスでどの国でもうまくいくとは限らない
各国特有の文化や市場などを考慮して展開していかなければならない
日本で1000万DLを超えたあたりで、海外でも伸び始めたが
品質の問題も出始めた
現地のキャリアと協力することもあるが
エンジニアが現地にいって、どのようになっているかを肌で感じるのが一番早い
→ 「LINE遠征隊」と呼んでいる
■LINE遠征隊は何をするか
現地のSIMカードを手に入れるのが最初 → 海外ではSIMが入手しやすい
クライアントとサーバーの開発者を混ぜて6名ほど
4日間ほど滞在する
ホテル、レストラン、電車、バス、観光地、エレベーター、飛行機、高いところなど様々な場所でテスト
飛行機のWi-Fiは速度も遅く、パケットロスも多く問題が多い
→ 再送アルゴリズムを調整するなどして改善をしている
日本は3Gが高速通信だが、海外では3G通信のライフサイクルを考慮して実装している
スペインのAndroidバッテリー問題
長く使いたいという命題に応えなければならない
→ LINE遠征隊を送り、サーバーとの通信頻度を減らしたりなどして最適化
・スペインでの特徴
流行っている端末がバッテリー容量が少ない
地下鉄では接続が切れやすく、バッテリー消耗が早い
→ 日本では気づけない、現地に行ってこそ
AppStore、Google Playのレビュー点数やコメントを解析
ログも解析している
例えば、画像の送信にどれくらいの割合で失敗しているかなど
→ 画像サイズやロジックを改善
フロントエンド(POP)はErlang、バックエンドはJavaで実装している
【所感】
LINEがどのようにして問題点を改善してきたかという歴史を紹介するセッション。
世界中にサービスを提供しているので、特定の国で問題が発生した場合にはLINE遠征隊というエンジニアチームを派遣して、問題解決をしているという。
現地に行って分かったことの例として、スペックの低いAndroid端末が爆発的に普及している、3G通信キャリアに特有の制限事項などがあったことを挙げていた。
LINE遠征隊による現地調査はバイタリティがあってすごい。コストのかかる手段だけど、最もスピード感のある対応方法であるのは間違いないと思います。
またそれを率先して実行させてくれる文化がうらやましいと感じました。ログを解析してリモートで原因調査するの、すげー大変だもの……